私は過去に、人に騙されたことがあります。
信じていた相手だったからこそ、裏切られた時のショックはとても大きく、
心の奥深くが傷つきました。
でも、不思議なことに、私はその人を恨むことができなかったのです。
恨みの気持ちが湧いてこないというよりも、恨もうとすると自分が苦しくなるのが分かっていたからです。
「恨み」と向き合った時、私は思った
私の知人は言います。
「そんなことされたんだから、恨んで当然だ」と。
「優しすぎる。もっと怒って、悔しがって、相手を恨まないとダメだ」と。
たしかに、私が受けた仕打ちは許されるものではなかったかもしれません。
でも、私は思うのです。
恨みという感情は、過去にとどまり続けること。
その過去にとらわれてしまうと、前に進むどころか、自分の心がどんどん苦しくなってしまう。
もちろん、怒りや悲しみを感じることは人として自然な反応です。
でも、私は「そこにずっととどまっていたくない」と思ったのです。
自分にかけた言葉
私は、自分にこんな言葉を何度もかけてきました。
「もう終わったことだよ。
あんなにつらかった中でも、あなたはよく頑張ったよ。
もうその人のことで心を使うのはやめよう。
これからは未来のことを考えよう。
少しでも笑顔で過ごせる時間を大事にしよう。」
怒りや恨みで前が見えなくなるくらいなら、
私は忘れていくこと、そして「心を軽くして生きること」を選びました。
誰かを恨んで苦しんでいるあなたへ
今、もし誰かを恨んで、苦しんでいる方がいたら、
その「恨みの奥」にある本当の気持ちを見つめてみてください。
- あの時、傷ついた。
- あの言葉が悲しかった。
- 信じていたからこそ、裏切られて悔しかった。
そんな気持ちを、「恨み」という形で握りしめるのではなく、
「傷ついた自分を、優しく抱きしめてあげる」ことができたら、少しずつ心が和らいでいくと思います。
恨まないことは、弱さではない
恨まないことを「甘い」「弱い」と言う人もいます。
でも私は、そうは思いません。
恨まないという選択は、強さと優しさの表れです。
怒りに流されるのではなく、自分の心と向き合って、前を向こうとしている証です。
私はこれからも、自分の心が穏やかでいられるように、
「未来へ目を向ける生き方」を大切にしていきたいと思っています。
最後に
もしこの文章が、同じような経験をした誰かの心に届いたなら、
それだけで、あの日の苦しみにも少し意味があったように思えるのです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。