辛い出来事が続くときに知ってほしい“考え方の転換”

〜感情ではなく「事実」と向き合うということ〜

私はこれまで、いくつもの大きな挫折を経験してきました。

最初の挫折は、夫との生活に疲れて離婚したことでした。

2人の子どもを抱えての再出発は不安だらけでしたが、両親の支えもあり、なんとか日々を乗り越えてきました。

ところが、離婚から間もなく、勤めていた会社で突然のリストラ。

「この先、子どもたちをどうやって育てていけばいいのだろう」

「もしかして、離婚したことへの罰なのだろうか」

そんな不安や自己責任のような気持ちに、心が押しつぶされそうになりました。

それでもなんとか踏ん張って生きてきた私に、また新たな挫折が訪れました。

それは、“長い間、人に騙されていた”という出来事です。

挫折の形は違っても、心が大きく揺れることに変わりはありません。

けれど今回の私は、少しだけ以前と違っていました。

 

少しだけ、心の向きが変わった

子どもたちも成長し、自分のことだけを考えられる時間が増えた今、

私はひとりの時間の中で、これまでの人生を振り返ることができました。

以前の私は、「なぜ私ばかり、こんなにも辛いことが続くのだろう」

と、自分の感情に飲み込まれるように過ごしていました。

でも今は、「なぜ、こうしたことが起きたのだろう?」

「どうすれば回避できたのだろう?」と、同じ問いでも、“向き合い方”が変わっていたのです。

 

息子の一言が、私を変えた

そんなとき、思春期に差し掛かる頃の息子が、ふとこんなことを言ってくれました。

「母さんは、感情を先に出すよね。それだと前に進めないよ。
感情は二の次。まずは起きたことを冷静に見直すことが大事だよ。
メモでもいいから、何が問題かを箇条書きにしてごらん」

そのときは思わず心の中で反発しました。

「感情を出すのが人間じゃないの?」と。

でも、その言葉がずっと心に残り、何度も考え直しました。

感情を抑えることは簡単なことではありません。

それでも息子の言葉がきっかけとなり、私は少しずつ冷静さを取り戻していったのです。

また、「どうしてこんな考え方が出来るの?」と聞いたら、

「自分も似たような体験をして、同じように乗り越えたから」と教えてくれました。

私は驚き、そして涙がこぼれました。

まさか、子どもからこんなに大切なことを学ぶ日が来るなんて。

胸がいっぱいになった瞬間でした。

 

視点が変われば、心の受け取り方も変わる

息子の一言があったからこそ、私は人の言葉を受け取るときも、

「なぜこの人は、こう言うのだろう?」と冷静に見つめられるようになりました。

たとえ相手の言葉が冷たく感じても、それは“相手の表現の仕方”であって、

「私自身を否定しているわけではない」と受け取れるようになったのです。

この「視点の転換」ができるようになってから、心の傷の受け取り方も変わってきました。

 

もし今、苦しんでいるあなたへ

もしかしたら、今まさにあなたも、「なぜ私だけが……」と、

何度も繰り返し思っているかもしれません。

でも、ほんの少しでいいんです。

少しだけでも冷静に、自分の状況を見つめ直す時間を取ってみてください。

たとえば、紙に書いてみる。

箇条書きでもいいんです。

• 今、何が問題なのか
• 今、自分にできることは何か

感情はもちろん大切です。

でも、感情に飲まれすぎてしまうと、目の前の“事実”が見えなくなってしまうことがあります。

一歩引いて、事実を見つめ直すことで、心の中に「余白」が生まれます。

その余白こそが、あなたの「これから」をつくる第一歩になるのかもしれません。

 

まとめ

感情に支配されすぎず、「冷静に事実を見つめる力」が、自分を救う道になることもある。

この泣き虫な私でも、時間はかかったけれど、少しずつできるようになりました。

だからきっと、あなたにもできます。

あなたのその優しさも、涙も、人生の中で必ず誰かの役に立つ日が来ます。

その日まで、あなたらしく、どうか歩んでくださいね。

 

 

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