はじめに
人は幸せになっていくと、過去の苦しかった日々を忘れがちです。
「もう過ぎたことだから」「思い出す必要はない」
と思うかもしれません。
でも、私自身の経験から言えることは、過去の苦しみを忘れないことが、今の幸せを守る土台に
なるということです。
私は数年前まで、毎日のように心が押しつぶされそうな日々を過ごしていました。
どうして自分ばかりがこんな目に遭うのだろう、と自分を責めたり、人を恨んだりしたこともあ
ります。
それでも時が経ち、環境が少しずつ変わり、今では「あの頃と比べるとずいぶん幸せになった」
と素直に思えるようになりました。
しかし、その幸せに包まれる中で、ふと気づいたことがあります。
「幸せになると、過去の苦しかった気持ちを忘れてしまいやすい」ということです。
過去を「悪いもの」とだけ捉えない
私たちは、辛かった過去をただの「悪いこと」として封じ込めてしまう傾向があります。
思い出すのも苦しいし、心の中でなかったことにしたくなるからです。
けれども、忘れてしまうと、同じ失敗や同じ苦しみを繰り返してしまうことがあります。
だからこそ、過去は「悪いもの」として押し込めるのではなく、学びとして振り返ることが必要な
のだと思います。
私も何度か、自分のブログを書き直す機会があり、そのたびに過去の自分の記事を読み返しました。
その中で「当時はこういう気持ちだったな」「あの時に大きな転機があったのかもしれない」と、忘
れかけていたことを思い出すことがありました。
正直、見たくない部分もあります。
自分の弱さや、人に見せたくないような心の傷と向き合わざるを得ないからです。
でも、そうした時間を避けずに受け止めることで、「あの時の経験があるから、今の自分があるんだ」
と感じられるようになりました。
初心を忘れないことは「未来を守る力」
「初心忘るべからず」という言葉があります。
これは新しいことを始めたときの新鮮な気持ちを忘れないように、という意味で使われることが多い
ですが、私はこうも解釈しています。
👉「初心=過去の苦しみを学びに変えた自分の気持ちを忘れない」
つまり、過去に何を感じ、どう変わったのかを忘れずに持ち続けることこそ、幸せを長く守る力にな
るのだと思います。
過去を振り返ることは痛みを伴います。
しかし、痛みを避けてばかりでは本当の意味で成長できません。
あの時の苦しみを思い出し、それを学びとして受け入れるからこそ、次に同じことが起きても、以前
とは違う選択ができるようになるのです。
聖書の言葉に学ぶ
この思いを振り返るとき、私の心に響く聖書の言葉があります。
「幸せの日には楽しみ、苦しみの日には考えよ。
神は人に未来を分からせないために、幸せの日も苦しみの日も作られる。」
(伝道の書 7章14節)
この言葉にあるように、人生には幸せな時もあれば、苦しい時もあります。
そのどちらも意味があり、私たちに必要な学びを与えてくれるのだと思います。
幸せな時には感謝して楽しみ、苦しい時には立ち止まって自分を見直す。
その繰り返しの中で、私たちは少しずつ成長していけるのではないでしょうか。
まとめ:過去を忘れず、学びとして未来へ
今の私は、1年前の自分よりずっと幸せです。
けれど、その幸せを本当に大切にするためには、あの時の苦しさを忘れないことが必要だと感じてい
ます。
過去は単なる「暗い記憶」ではなく、「未来を守るための学び」です。
だからこそ、初心を忘れず、自分を振り返る時間を持ち続けていきたいと思います。
読んでくださったあなたも、どうか幸せな時こそ過去を振り返ってみてください。
その記憶は、あなたの未来をより豊かにする力になるはずです。