私にとって、香りはただの「いい匂い」ではありません。
心が疲れたとき、何もしたくないとき、
そっと寄り添って「大丈夫」と伝えてくれる存在です。
そんな香りと同じように、ある言葉が心に染み込んできたことがあります。
それが、聖書に書かれているこの一節でした。
疲れた者、重荷を負っている者は、みなわたしのもとに来なさい。
わたしがあなたがたを休ませてあげます。
マタイの福音書 11章28節
この言葉に出会ったとき、私は、
まるで「今のあなたのままでいいよ」と言われているような気がしました。
この“疲れた者”“重荷を負っている者”とは、
心が擦り切れたり、誰にも言えない思いを抱えていたり、
自分を責めてばかりの、かつての私のような人のことだと思うのです。
がんばりすぎてしまった日。
気づけば涙がこぼれそうな夜。
そんなとき、この言葉は、
「無理にがんばらなくていい」「わたしのところにおいで」と、
静かに、でも確かな声で呼びかけてくれます。
そして、「休ませてあげます」と続くその一言に、
どれだけの救いが込められていることでしょう。
香りと聖書の言葉、どちらにも共通しているのは、
「休んでいいよ」「ひとりじゃないよ」というやさしいメッセージ。
深く呼吸することで、
心にかかっていた重荷がふっと軽くなるように、
この言葉もまた、私の心をそっと整えてくれました。
あなたがもし今、疲れを感じているなら。
心の中に静かに響くこの言葉を、どうか受け取ってみてください。
「わたしがあなたがたを休ませてあげます。」
それは、香りのように目に見えなくても、
確かにそこにある「やさしさ」のかたちなのです。